2月28日 折居 徳正

「ハイチについて伝わったこと、伝えたいこと」
2月8日から2月20日まで、日本に戻っていた約2週間の間、メディアを含む色々な方にハイチの震災について聞かれ、自分なりに伝えようとしたつもりですが、この国の実情についてどこまで伝えられたのか、今思うと非常に心もとない気がしています。
日本では「西半球の最貧困国」と「治安の悪化」という2つのイメージばかりが広まった印象があり、ハイチの歴史、文化、人々についてはほとんど伝わらないまま、地震の報道も終わろうとしているように思います。今、少しずつ日常が戻りつつあるハイチの人々を見ていると、この国の人々の日常の暮らしや思いについて、少しでも日本の人々に伝えられたらと感じます。

ハイチは1803年に独立した「アメリカ大陸で、アメリカ合衆国に次ぐ2番目の独立国」、そして「世界初の黒人による共和国」です。近代国家の運営という意味では、明治維新より前に国家を建設していた訳で、日本よりも長い経験を持っているとも言えます。でも、コロンブスが到達したこのイスパニョーラ島に黒人の国家が出来たのは、フランスが植民地としていたこの地域に、西アフリカから多くの人々が奴隷として連れて来られた歴史があるからで(建国時にいた黒人は約50万人)、建国後も帝国主義時代から第二次大戦後まで、この国の人々は多くの苦難を経験して来ています。
そして「よい政府による安定した統治」が実現しないまま、今回の大震災の被害を受けて、ハイチの人々にはさらなる困難が続いていますが、世界を見渡せば、過去にはインドネシアのアチェの事例のように、津波の被害を受けて政治的対立が解決に向かい、復興から経済的発展に結び付いた例もあり、世界の注目を集めることになったこの地震が、将来よい方向に作用することを願うばかりです。

現在NICCOはペチョン・ヴィルという街で、CEFELというキリスト教系の団体と協力して事業を行っています。NICCOのプロジェクトのために働いてくれている人たちは、皆聡明で、互いに思いやりに溢れ、過去のハリケーン支援等の豊富な経験を生かして、献身的に働いてくれています。また、各避難所にも自主的な運営委員会が設置されており、委員となった人々は、各避難所をよくまとめて活動し、外部からの支援を平等に受け入れられるように調整してくれています。
このような多くのハイチ人達がいて、全ての国際機関や国際NGOの支援プロジェクトは成り立っているのです。ハイチ人は単に助けられるだけの存在ではなく、人のために働きたいと考える多くの有能なハイチ人自身の力で、現場の支援活動が動いていることを、ぜひ日本の皆さんにも知ってもらえればと思います。
ハイチ地震被災者支援 現地リポート (4)
ハイチ地震被災者支援 現地リポート (3) ハイチ地震被災者支援 現地リポート (2) ハイチ地震被災者支援 現地リポート (1) NICCOでは引き続きハイチ地震緊急人道支援募金を受け付けています。皆様の温かいご支援をお待ちしております。
ハイチ地震緊急人道支援募金の受付
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