
NICCOがジャパン・プラットフォームの一員として取り組んでいる、パキスタン水害被災者支援。
2011年8月後半から続く豪雨による水害被災者支援として、シンド州にて、蚊帳・衛生キットなどの
緊急支援物資の配布、配水車による水の配水、日本人医師による巡回診療などに取り組んできました。
5回にわけて、現地派遣の医師からのレポートをお届けします。
2011年11月28日 報告者:塚本 勝之 医師
11月21日から27日の週は先週と同様にモバイルクリニックの活動への助言と
蚊帳の配布およびウォータータワーの建設現場の視察が主な活動になりました。
モバイルクリニックに関してはそれほど患者数が多いわけではありません。
しかし診療所としている施設の中は人があふれています。
「我先にと」どんどん患者が入ってきて医師を取り囲んでいます。
そのために診療室の中は人の会話であふれかえり問診も聴診もままならない状態で
す。
通常なら入口と出口を別々とし、診察室の入口には患者の調整をする人物が立ち入室
を制限します。
しかしながらその調整員となるボランティアが初体験なので
どのようにしたらいいのか分からず、ただ状況を見ている状態です。
また日に日に診療所となる施設が変わり、入口が一つのところもあれば軒下のこともあります。
ボランティアには入口に立ち患者に列を作ってもらうようにして、一人一人入室してもらうよう指示をしています。
また列を作ってもらうことにより患者一人一人の状態が把握でき、状態の悪い患者がいれば早急に診察室に案内することが出来ます。
上記を踏まえ、一度活動の振り返りをしようと週末にワークショップを実施しました。(トリアージとは...大災害によって多数の被災者が発生した際に、どの負傷者から治療するか、どの患者を救急搬送するかといった優先順位を決めること。また、その役目。現場の人材・機材などを最大限に活用するために行います。)
現場、診療前および診察でのトリアージがあります。
現在パキスタンは災害時の中の緊急期を終えた復興期に当たると思います。
そのため現場でのトリアージはありません。しかしながら診察前、診察でのトリアー
ジは必要です。
前述したように診療施設では列を作ってもらい患者の状況を観察し、必要であれば早急に診察することが必要です。
またトリアージの技術も必要ですが、やはりそれも診察室のアレンジメントがあってこそ役立つことだと思います。
加えて午後には、今後起こると考えられる感染症の流行のケーススタディーを実施しました。
流行を早期に発見するにはサーベイランスシステム(監視体制)が必要です。
サーベイランスシステムも今後強化していくことが重要かと思います。
また2日目のワークショップでは今後のSafe Windsの単独の活動を見据えて、
プロジェクトサイクルマネジメント (PCM、事業管理)の実施とログフレームワーク(プロジェクト概要を表した表)作成の実技を行いました。
現在現場で問題となっている小児の栄養失調を題材にし、実際にPCMを実施しログフレームに落す方法です。
Safe Windsスタッフおよびボランティアの全員が初めてのPCM, ログフレーム作成でしたので
最初は戸惑いも多く、またワークショップにもかかわらずデスクワークの方向に行っ
てしまい
時間がかかり参加者の集中力が維持できるか心配でした。
しかし勤勉なパキスタン人ですのでその心配もなくなり最後のセッションを残し無事終
了することが出来ました。
残りはミルプールハースのオフィスで実施する予定です。
これまでのレポートもご覧ください。
