オリーブオイル生産プロジェクトの目指すもの

NICCOはパレスチナのお隣、ヨルダンで2004年より環境に配慮した循環型有機農法を取り入れ、オリーブの品質を向上させる事を通じた、オリーブ零細農家支援を行ってきました。
このプロジェクトは、有機JAS認証を取得したこともあり、高価格のオリーブオイルの生産により、支援農家の収入を増加させることに成功しました。この成功を基にNICCOは、パレスチナでも品質の高いオリーブオイルの生産による、貧困オリーブ農家の収入増加を目指します。
また、ただ単にヨルダンで行った事を再現するだけではなく、パレスチナ、イスラエル、ヨルダンの農家・NGO・企業や行政等のオリーブ関係者のネットワーキングを行う事で、ボトムアップの平和構築も目指しています。いつの時代も貧困は社会の不安定化とその結果としての武力紛争を招く最大要因の一つです。NICCOはオリーブ栽培に長い歴史を持つパレスチナで、貧困削減と平和構築という最高の一石二鳥を狙っています。
「ものごっつうおいしい」オリーブオイルを作る場所

6000年前からオリーブを栽培してきたパレスチナでは、今でも農業生産の15―19%はオリーブです。NICCOは「ものごっつうおいしい」オリーブオイル生産をパレスチナのトバス地方で行います。
トバス地方はオリーブオイル生産の盛んな土地ですが、交通の便が悪い事、農業技術があまり高くない事や農業技術に関する情報もあまり豊富でない事から、多くのオリーブ農家は貧しい暮らしをしています。一方でトバス地方は、パレスチナの中では比較的治安が安定しており、安定した事業の実施に適した土地でもあります。こうした要素を考えた末、NICCOはトバス地方で事業を行う事にしました。
「ものごっつうおいしいオリーブオイル」のつくりかた
■パーマカルチャーに基づく環境保全型節水農法
パーマカルチャーは、オーストラリアのビル・モリソン氏の提唱するパーマネント(permanent:永遠の)とアグリカルチャー(agriculture:農業)/カルチャー(culture:文化)を組み合わせた造語を名前にした理論で、単に環境を配慮するだけではなく、持続可能な無農薬・有機農業を基本とした、水・土・植物・畜産・水産・建造物・人々・経済、都市/農村を包括的に捉えデザインする事を大きな特徴としています。
例えば、害虫対策に大量の殺虫剤を使う代わりに、害虫を寄せ付けなくする効果のある、ニームという木を植える、事業地周辺の植林を行い環境を整える、オリーブ油の搾りかすを燃料や肥料として有効利用する等、NICCOは、ヨルダンに続いてパレスチナでも、パーマカルチャーに基づいた環境保全型農業の技術移転と普及促進による「ものごっつうおいしい」オリーブオイル作りを目指しています。

NICCOは、対象となるオリーブ農家の生活が良くなることを目標としています。
しかし、それは「施し」により成し遂げられるべきではなく、オリーブ農家自身が本当に良いものを作ることによって成し遂げてゆく物でなければならないと考えています。
そのためには、生産したオリーブオイルが日本の様な国際市場でも通用する物でなければなりません。NICCOは国際市場でも立派に通用するオリーブオイルを作るために「ものごっつうおいしい」には、とことんこだわっていきます。



まず、原料となるオリーブはナバリ種という現勢種に近い種類の栽培を捕捉、年間1万本のペースで植樹を行っていきます。ナバリ種は、元々パレスチナ、ヨルダン、レバノン、トルコ南部等で自生していたオリーブの原生種に近く、この地域で長い栽培の歴史があり、味は濃厚でフルーティーながらもワイルドな風味を特徴としています。
NICCOのヨルダン事業では、このナバリ種を手摘みで採取、採取後24時間以内に採油を行う事で、風味豊かなエキストラバージンオイルを生産しており、このオリーブオイルは、有機JAS認証を取得したことでさらに商品価値を上げ、日本の消費者から高い評価を受けています。ヨルダンに続くパレスチナでの「ものごっつうおいしいオリーブオイル」プロジェクトには、商社等日本のバイヤーからも成功の期待が高まっています。
オリーブカルテットのネットワーキング

NICCOは、事業地であるパレスチナ、パレスチナ自治区の位置する国であるイスラエル、パレスチナの隣国でありNICCOが同様のプロジェクトを行った国でもあるヨルダン、そしてNICCOの4者の間でネットワークを形成し、「ものごっつうおいしい」オリーブオイル生産の効率化を図るだけでなく、中長期的には、地域の安定的平和の構築にも貢献していきたいと考えています。
その一例がこれら4ヵ国合同のワークショップの開催です。2008年3月にパレスチナのジェリコで開かれた第2回ワークショップでは、数多くのイスラエルからの専門家が参加し、パレスチナ・ヨルダン・イスラエル共通のオリーブ栽培の問題点、パレスチナ産オリーブオイルの国際市場をターゲットとしたマーケティング、オリーブオイルの国際基準についてなど、多岐にわたるトピックが取り上げられ、活発な議論が繰り広げられました。