社団法人 日本国際民間協力会
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 ヨルダン活動日記
                                            
【2006年4月14日〜2006年4月22日】
                                                                                         インターン  片岡 稚

        (4月22日現在ヨルダンでは、スタッフの大塚、インターンの吉村、片岡の 3名が活動しています。)


○4月14日(金)
 無事にヨルダンの首都アンマンに到着。
 空港にて、ヨルダン滞在3ヶ月を迎えたインターンの吉村さんと再会。本部で半年近く一緒に仕事をしていたせいか、海外で会うのは不思議な気分だ。再会を喜びつつ、運転手のサーレムと話す吉村さんのアラビア語の流暢さに感心し、自分も現地の人達とコミュニケーションを!と気合を入れる。
 空港の外に出ると、今年初めてという30℃を超える暑さ。住居兼事務所まで向かう途中、木陰でピクニックを楽しむ家族連れが数多く見られた。
 体は疲れていたようだが、気分が昂っていて疲れを感じない。と思ったがベッドに入るとすぐに寝てしまった。

NICCOヨルダン事務所(住居兼事務所)のあるアパート

○4月15日(土)
 昨日の夏の陽気はどこかへ行ってしまい、少し寒ささえ感じる。
 ヨルダンは、金曜日と土曜日が週末。午前中は部屋で荷物の解体作業を行った。いろいろと日本から持ってくれば良かったと思うものはあるが、とりあえず私にとって一番大切な“食”を確保するため、スーパーに連れて行ってもらう。アンマンは車社会。どこへ行くにもほとんどタクシーを使うようだ。個人的には、車より自分の足で歩くほうが好きだが、排気ガスと砂埃の中を歩くのはあまりいい気分ではない。この車社会とモノの多さは、途上国であることを全く感じさせないどころか、むしろアメリカ的だ。NICCOの事業地であるジェラシュやサウスシューナはまだ見ていないが、この国に援助が必要なのかという疑問が自然と頭をよぎる。それだけ、経済的な格差があるということなのだろうか。

○4月16日(日)
 今日は、ヨルダン農業省内にある事務所へ初出勤。
 運転手のサーレムが迎えに来てくれる。運転手付の車で出勤とは、すごく贅沢をしている気分で、国際協力を行うNGOからの派遣で来ている身分でありながら、これでいいのかと変な気分になった。
 プロジェクトマネージャーである大塚さんの帰国後、現地でプログラムオフィサーとしてヨルダン事業を引っ張ってくれるマジダさん、4月からプロジェクトが属する農業省オーガニック部門に着任したばかりの農業省技官ムーサ氏と挨拶を交わす。農業省の方がたとも次々と挨拶するが、ヨルダン人の名前が覚えられない。ここでも、アラビア語の必要性をひしひしと感じる。
 今日は、今後のスケジュールや体制についての打合せ。プロジェクトを進めるにあたっての課題も少なくない。柔軟にその場その場に応じた対応が求められそうだ。

○4月17日(月)
 日本大使館訪問。外ののんびりした空気とは異なる少々ピリッとした空気が流れる大使館内。ここはほんとにヨルダンなのか、と思うほどきれいで清潔感に溢れている。4月2日より着任された加藤大使と面会し、大塚さんよりNICCOとヨルダン事業の紹介が行われた。とてもきさくな方で、興味深く話を聞いてくださった。
 午後からは、死海に近い南シューナにNGOアル・ジャワースレの有精卵グループを訪ねる。この女性グループは常に活発且つ積極的に活動しており、鳥インフルエンザによるダメージはあるもののそれを更に上回るエネルギーを感じる。次の活動としてマッシュルームの栽培を始める計画もあるようだ。乾燥地でマッシュルーム栽培が可能なのか、という疑問もあるが、家の中であれば大丈夫とのこと。この地の女性達の溢れんばかりのエネルギーに、私も元気が出る。

○4月18日(火)
 午前中からブルマステーションを訪問。
 私がプロジェクトの中で最も見たかったもののひとつだ。パーマカルチャーのモデルファームでもあり、どういったシステムがどのように管理されているのかが興味深い。農業省技官ディアナに案内をしてもらった。

ブルマステーションで行われているパーマカルチャー手法

《グレーウォーターシステム》

  グレーウォーター(トイレ以外の水)の再利用。2つの容器の間にパイプが通され、石が敷き詰められている。3本の突き出たパイプは臭いを取るもの。グレーウォーターはすべて片方のタンクに入り、土中のパイプを通って臭いや汚れを取りながらもう一方のタンクに流れ込む。タンクの位置は20cmのスロープになっており、重力を利用している。この水は、樹木への利用のみで、野菜など食用にするものには利用しない。

《集水システム》

  浅いすり鉢状になっており、右側の穴に雨水が溜まるようになっている。集められた水は、内部で土のフィルターにかけられ、左の穴よりポンプで汲み上げて、野菜や果樹の水撒きに使われる。

《害虫駆除対策》
  虫の好む木と果樹などの混作。また、ニーム(インドセンダン)など、忌避植物の葉を水に付けておき、その水を木に散布する。

《ウォーターキャッチメント》
  斜面に生える木の周りに石を組み、降雨時の水および土の流出を防ぐ。

《マルチ》
  果樹の周りにマメ科植物を植え窒素固定を行うと共に、土の表面を覆うことで水分の蒸発を抑える。マメ科植物は花が咲いた時点で刈り取られ、ドライマルチにされる。これは、実を付け始めると、土の栄養分を吸い取ってしまうからとのこと。

その他オリーブの搾り粕を利用したコンポストもあるようだが、時間がなかったため次回に。

夕方に、JICAヨルダンに大塚さん離任&片岡着任の挨拶にお伺いし、所長をはじめ、お世話になる方々に会うことができた。

○4月19日(水)
 オリーブオイル製造会社IOPとのミーティング。
 
○4月20日(木)
 農業省事務所にて事務。
 今日、1年近くヨルダンに滞在されていた大塚さんが帰国。日本でヨルダン事業を担当していたとは言え、私の現地での人脈作りはまだこれからだ。下手をすれば、信頼関係ができた頃に帰国、となりかねない。とにかく今は、早急に生活環境を整え、プロジェクトに集中できるようベストを尽くしたい。

○4月21日(金)〜22日(土)
 週末。ワディ・ラム(ヨルダン南部の砂漠地帯)へツアーに出かける。
 まだ日常生活にさえ慣れていないため時期尚早かと思ったが、たくさんのヨルダンを見たかったこととできるだけ多くの人との交流を持ちたかったので、参加することにした。
 自然の雄大さに触れ、沙漠に住むベドウィンの人々の生活にごくわずかながら参加させてもらい、少し自分自身の気持ちにゆとりができたように思う。それほど、切羽詰っていたわけではないが、慣れない環境と全く異なる文化と言語に焦りに似た気持ちもあったようだ。

ワディ・ラム:一見何もないように見えるが、ウサギやトカゲその他小さな昆虫もいる。
 
 

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