| |
 |
| これまでの道端の露天商。タバコやジュースの露天商がぽつぽつと見られた |
|
|
「バム市内、街中の様子(3月9日)」
まず最近顕著に変化が見られたところは商店の再開です。これまでは店といっても道路の脇で小さな机や箱を置いて、他の町から仕入れてきた数種類の野菜
、ペットボトルの飲み物やタバコなどを売る店(露天商)がほとんどでバムで購入できる物には極端に限りがありました。しかし、最近は露天商にもレパートリーが増え、大きな机を出して、またある店ではショーケースまで持ってきて店を広げています。露天商は主に交差点(十字路ではなくラウンドアバウト)の道端に並んでおり、大きな交差点はさながら市場のような雰囲気が感じられます。品物も野菜や果物、羊肉を売る店まで現れ、他には石鹸やタオルなどの生活雑貨、衣料品や靴、子供のおもちゃ、ポーダブルラジオやシェーバーなどの簡単な電化製品まで購入することができます。
一方、崩壊をある程度免れた商店でも再開が見られ、こちらも衣料品、食料品の販売再開が見られてきています。値段は一時期高騰するかと思われましたが、現地スタッフに聞くと他の町と変わらない値段だということです。
商店の他には、銀行、郵便局も少し前から再開しており、都市の機能が徐々に回復しているのを肌で感じ取ることができます。ただし、回復したと言っても建物の修復、再建が終わったのではなく、一時的にテントや仮設住宅(コンテナハウス、こちらではコネックスと呼んでいる)での営業再開というのがほとんどで、また以前に比べて営業再開した店が増えてはいるものの、現在の人口を維持できるだけの商店が再開したとは到底思えず、これからもNICCOが行ってきた衣料品の配給や毎日の食料品の配給などが必要な生活が続くのは明らかです。
次に変化が見られるのは建物の再建です。といっても、現在は重機が入って瓦礫を片付けているという状況です。実際最近まで、建物の状態はほとんど震災直後のままでした。一部で重機が入っていた地域はあるものの、瓦礫撤去の現場を見ることは少なく再建は遅れているというの正直な印象でした。しかし最近では瓦礫が撤去されていて整地が進んでいたり、撤去されないまでも端に寄せられていたりする様子を見ることができます。
範囲的には広くは無いものの、再建が始まりつつあることが感じられます。
|
| |
| |
|
 |
| 郵便局の窓口。コンテナハウスの片側に二つ窓口があり、片方が男用、片方が女用に分かれているようだ |
|
|
 |
| 崩壊した銀行。一見近代的に見える建物でも壁はほとんどがレンガ積みで、このように鉄骨がむき出しになって内側の壁が全て崩れ落ちた建物が多く見られる |
|
|
| |
|
|
 |
| キャンプ内の食料品店。テントの前にビニールシートで一部屋作り、そこに商品を並べている。子供達がお金を握りしめてやってきては嬉しそうにお菓子を買って帰っていっていた。左に写っているのもキャンプ内の子供で家族のためか1.5リッターのペットボトルジュースを買っていた |
| |
 |
| 食料品店の中の様子。卵や袋詰めのお菓子、真ん中に見えるビンはローズウォーターといってこちらの料理の香付けに使われる調味料。また、飲み物や絆創膏まで売っている |
| |
|
キャンプ内のテントの前で座り込んで話をしている子供たち。日中はテント内の気温が高くなり、また陽射しの下では非常に暑いためテントの前にできた影の中に座っている被災者をよく見かける |
|
キャンプ内でドリンクを冷やして売っている商店。ここはテントの間にビニールシートを張り、その下に冷蔵庫つきのショーケースを置いて冷たいドリンクを売っている
|
| |
| |
「内務省キャンプの様子(3月9日)」
現在、キャンプのテント数は約400張、約2000人が生活をしています。正確な情報ではないですが、一時期増加傾向にあったキャンプ内のテント数、人口も最近では落ち着いているような印象を受けます。その根拠に、つい最近まではキャンプの周りには囲いのようなものは無く、新しいテントが外へと広がっていました。しかし最近セキュリティのためもありキャンプの周りにフェンスが張られ、外側への拡大がなくなりました。かと言ってテントに入れない被災者があふれるということもなく、定着した感じがあります。
キャンプ内のテントでも商店を始める人が出てきました。一ヶ月ほど前からペットボトルのドリンクやお菓子、タバコ、シャンプーなどの生活雑貨を売る雑貨屋(雑貨テント!)が一つありましたが、つい最近クーラーつきのショーケースをテントの前に出し、冷えた飲み物を売る店、小さいながらレストランを開業するテントも現れました。各テントにはほぼ電気が供給されており、機材があればある程度のことはできるようです。このような状況を見ていると、被災者自身での復興に対する前向きな姿勢が感じられ、非常に良い傾向だと思います。ただし、まだまだ解決しなければならない問題が残っているのも事実です。
キャンプ内で差し迫った問題として、まずは気温の問題があります。3月に入りこちらでは冬が終わりつつあります。それにつれて気温も上昇傾向にあり、最近の日中のテント内は35度〜40度近くまで上昇します。現地スタッフの話では3月も後半になると気温は50度程まで上がるということであり、暑さ対策が大きな問題となってくるのは確実です。それにつれて食料品の保存が問題だということを被災者からよく聞きます。冷蔵庫がほしいというのがよく聞かれる被災者からの要求ですが、費用、維持などの面から難しいのが現状だと思われます。
他に私が印象に残った被災者の様子として、雇用を望んでいるというのがあります。これまでは生活をするのに精一杯で仕事をする余裕はないような状況でしたが、最近になって生活がある程度落ち着き、時間に余裕が出てきたようです。その時間を利用して仕事をしたいのだが、雇用がないために仕事ができない、というのをよく聞きます。
同じような状況が子供にも起こっているようです。ある子供がいる家族のテントを訪ねて生活について質問したところ、子供の遊び道具(おもちゃ)やノート、鉛筆がほしいといわれました。同時に子供が日中に行くところ、つまり学校なり遊び場なりがほしいという答えが返ってきました。一部の幼稚園や小学校が再開してはいるものの全員が通っているというわけではなく、確かに昼間キャンプ内を歩くと、テントの影に座って話をしている子供をよく見ます。
被災者の最近の傾向として、何かをやりたいができない状況にあるということが挙げられると思われます。
このような状況の中、先日桑山氏の発案によって行ったサッカートーナメントは非常によいアクティビティだと感じました。何かをやりたくてもやれない状況に対して、一つのきっかけとして働き、結果的にやらされるのではなく自ら参加する状況が生まれたことは、被災者にとってなによりもの助けになったのではないかと思います。
報告:スタッフ 桑野 孝人 |
|