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  ジャワ島地震緊急医療支援レポート

                               【2006年8月10日(木)〜8月13日(日)

                                                             ** 報告者:久保田 智之 **
     
                 (8月13日現在、インドネシアではスタッフ3名が活動しています。)          
 
 
 


心理的社会ケアスタッフレポート2
 

 
○8月10日(木) 「「遊ぶ」考」
第3回目ワークショップ:描画 「地震後の新しい村」
スコラメ小学校、カニゴロ小学校
ファシリテーター:ココ、ディマス、オクティ、ウニ、ニタ
スタッフ:久保田、ハディ

 今回のワークショップではゲームをするときには、その裏には必ず何かしらの意図を待たせている。例えばそれは何かを教えたかったり、次の導入や雰囲気作りであったり。「遊ばせるのなんて簡単じゃん」とはよく言われるけれど、確かにその通り。遊ばせるのは簡単だ。放っておけば、子どもは勝手に自分の範囲で遊び始めるものだから。ただしそれは自分の範囲の中で。だから、「遊ばせる」のではなくて、共に「遊ぶ」のである。彼らの知らない遊び、彼らに知ってもらいたいことを一緒に体験して、彼らの可能性を広げていくのである。子どもと「遊ぶ」と子どもを「遊ばせる」の間には大きな違いがある。

 学んでもらいたいこと。例えば、協調性。一人ではなくみんなで遊ぶときにはそれなりのルールが必要になる。自分勝手に遊んでいても、ルールを守らなければ、他のみんなが楽しくない。今回のワークショップの対象は小学5年生だが、日本と比べると幼く、小学3年生くらいの印象。まだまだ自分の中で盛り上がってしまって周りが見えなくなっていることもちらほら。もちろん、盛り上がるのはとっても喜ばしいことだけど、みんなで盛り上がれたときの感覚はもっと大きく、感動的なものだ。彼らも一度その一体感を味わうと、またその感覚を味わいたくなる。だから遊びの中で自然とルールを学ぶことができる。

 やってほしいことやこうなってほしいというアイデアはもちろんある。でもそれを上から「教える」のは教師の仕事。僕らはファシリテーター(まとめ役)なのだから、子どもたちが自発的にそう思うように導いていかなければならない。教師が上からならば、ファシリテーターは斜め前から。一緒に並んで歩いていくイメージだ。
命令ではなく、自然と導く。それがファシリテーターの鉄則だ。

    

○8月11日(金)「写真で綴る心理社会的ケアワークショップ」

第3回目ワークショップ:描画 「地震後の新しい村」
ジャティムリョ小学校、タンジュン小学校
スタッフ:久保田、ハディ
ファシリテーター:ニタ、デンディ、リサ、ジャスティン

1「アイスブレイクゲーム」(緊張を解きほぐすための活動)
いきなりメインテーマからはじめるのではなくて、まずは心の準備を。
盛り上げてみたり、落ち着かせてみたり。次のメインプログラムへの導入をする。

  

2「メインプログラム」
ウォーミングアップ終了後、メインプログラムに入る。表現行動なので基本的にはゲーム感覚ではあるけれど、どのテーマも深く考えたり、議論したりと自分と向き合うことや相手との協調性が必要になってくる。セッションの根幹部。一番裏の意図が含まれているところである。なので、子どもによっては負荷のかかる場面も。狙いに沿ったアプローチを行い、彼らに自信、協調、他者とのつながり、過去の克服などを体感させていく。この「実際に体感すること」がとても重要な要素である。

   

3「ラストゲーム」
メインプログラムで頑張った後は、再びゲームに戻る。この日がいい思い出になるよう最後はみんなで盛り上がる。「終わりよければ全てよし」。楽しかったという思い出を残すことはとっても大切だ。
   

○8月12日(土)「ロビン・ウィリアムス、現る。」

第3回目ワークショップ:描画「地震後の新しい村」
テロン第1小学校、タンキル小学校
スタッフ:久保田、ハディ
ファシリテーター:ニタ、ルーシー、ダニエル、ユスリ

 例え全国的に有名ではないにせよ、注意深く辺りを見渡せば、すごい才能を持った人間というものはいるものである。そんな彼らのことを人は「下町のブラット・ピット」、「東北のマラドーナ」などと呼称をつけて呼ぶ。そして、ここジョグジャNICCO事務所にも一人、すごい才能を持った人物がいた。人呼んで、「山村のロビン・ウィリアムス。」

 普段はプロのガイドでもある彼は、その話術、ショーセンスはとても素晴らしく、彼が話せば、子どもたちはたちまち身を乗り出す。そんな彼の話術を他のファシリテーター(まとめ役)にも伝えたくて、何かいい機会はないものかと模索していた、今日この頃。デリンゴへ向かう山道の途中で彼が「今日、私は子どもたちの前でスピーチ、したいです。」と言ってきた(彼は日本語もしゃべれる)・・・来た!チャンス到来!!
 話の題材は「アーファンリー」。地元の芸術家で一代で富を築いた、インドネシア人なら誰もが知っている芸術家だ。そのサクセスストーリーを子どもたちに伝え、彼らの無限の可能性を刺激したいというのが彼のたっての願い。セッションがはじまり、ファシリテーターが子どもをテントの外に連れ出している間に、手早く黒板になにやら書き始める。周到な用意からも意気込みが感じられる。
いざ、スピーチ開始。アイスブレイクゲームでほぐれた気持ちが再び引き締められる。聞き手の真剣な眼差しに、気持ちが高揚してくるのを感じる。子どもたちの熱い視線が集まってきたところで、最後に一発、決め台詞。「ビサ!ビサ!サヤ、ビサ!! (できる、できる、私はできる)」。5分前とは打って変わって、拳を掲げて叫ぶ子どもたち。その変化はまさに映画のワンシーン、皆が立ち上がってくる光景は「今を生きる」のキーティング先生のようでもありました。顔もちょこっと似てるしね。

     
左:頼れるパートナーのハディさん
中央左:話に引き込まれていく子供たち
中央右:皆で手を挙げ、「ビサ、ビサ、サヤビサ!!」
右:でも普段はきたろうさんなのでした。


○8月13日(日)「休日の過ごし方」
参加者:佐藤、江崎、久保田

気分をかえて街へショッピング。今日の面子は佐藤さん、江崎さん、私。日本人スタッフ揃い踏みのこの日は男3人、純国産。Let’s go to マリオボロ!!
これでグラマラスな紅一点でも入れば、ちょっとした深夜の旅行番組の様相(大竹まこととか高田順次とか出ていそうな・・)。当然、紅一点はいなければ、カメラは自分で持ち歩く。
マリオボロストリートはジョグジャ一の繁華街。一本の大通り沿いに多く商店と露天が立ち並ぶ。道にはこれまた多くのバイクと馬車、そしてべチャ(インドネシア版かごや:三輪自転車)が絶えず流れ、一方通行の通りながら渡る気がうせるほど溢れかえっている。決して風情があるとは言えないが、普段をデリンゴの山の中で過ごしているものとしてはこういう騒がしさも新鮮なものである。都会への憧れ。山の中で暮らしている人にとってはやはりそう映るのだろうか・・。
デパートを出るといつの間にか真っ暗に日が落ちていたことに気付く。そんなマリオボロの休日でした。

   
左:学生の街らしく、とりあえずバイクが多い。
中央:車と共に走るべチャ
右:戦利品のわら人形(?) わらわら。

 
 

社団法人日本国際民間協力会(NICCO)京都本部
TEL: 075-241-0681 FAX: 075-241-0682 E-mail: info@kyoto-nicco.org

●ジャワ島地震緊急人道支援募金の受付
1. 郵便振込:01070-5-60791 (通信欄に「ジャワ島地震募金」と記入)
  口座名:社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)

2. クレジットカードやジャパンネット銀行の口座からの募金:
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