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ジャワ島地震緊急医療支援レポート

現地スタッフの久保田が、現地で感じた子供たちへの想いや実際の活動についてご報告します。
少しずつ変わっていく現地の様子をご覧ください。

                                  【2006年8月2日(水)〜8月7日( 月)
                                                                     ** 報告者:久保田 智之 **
     
                 (8月7日現在、インドネシアではスタッフ3名が活動しています。)          

 
 
 


心理社会的ケア 現地スタッフレポート1
 

 
○8月2日(水)「現地入り。」

午後8時過ぎ、ジョグジャカルタ空港到着。乗り継ぎの国内線の遅れもあり、すっかりと日が暮れ、機内からジョグジャの夜景を見ることができた。初めてのインドネシア。南国でのんびりとしたイメージしか持っていなかったが、小さな窓の下にまたたきうごめく光の洪水(・・というの大げさなので光のせせらぎ)は、どこか日本の地方都市を連想させる。このきれいな夜景も、朝になればきっとあちこちに震災の傷跡が見える街並みへと変わるのだろう。空港に着き、インドネシア統括の佐藤氏と合流。迎えの車でホテルへと向かう。車中から見た街の様子からもまだ震災の傷跡を見て取れない。
明日からは、デリンゴという山間地域の小学校6校を対象に心理ケアが始まる。デリンゴまでは車で約1時間と少し。疲労で想像力の鈍った頭では街の灯から村の様子を想像することもできず、夕食時に聞いた話からなんとか現地を想像し、国内で温めてきた活動計画を照らし合わせながら、いつの間にか就寝。

○8月3日(木)「初日。」
第1次活動:心理テスト
対象:スコラメ小学校、カニゴロ小学校
スタッフ:久保田、ハディ
ファシリテーター:ココ、ディマス、ウニ、オクティ

活動初日。時差は2時間とそれほどでもないが、日本時間で寝て、現地時間時間で起きる、疲れた体に睡眠時間2時間の差はなんとも大きい。寝過ごしたと慌てて部屋を飛び出すも、時差のせいとわかり、1人勝手に冷や汗をかいてなんかみたり。体ともども頭もまだ現地に慣れていないらしい。

今日は現地スタッフ、ファシリテーター(まとめ役)、子どもたちと初顔あわせ。その数総勢80名以上と初めてづくし。初めて祭り。おまけに村の子どもたちにとっても初めての日本人となるかもしれないわけで、日本人のイメージを一世に背負っていると思うと少し荷の重さも感じる。車内では初回特有の緊張感を感じながら念入りに打ち合わせをしているといつのまにやら山間部に入る。崩れた家を見かける機会が多くなってきた。

学校に着くとまず壊れた校舎が目に付く。まだ撤去されていない瓦礫の横の壁にひびの入った校舎。窓ガラスには使用禁止のシールが貼ってある。中は完全に撤去されているものの、天井や壁の細かな破片が崩れたままに転がっている。「これを見るたびに当時のことを思い出すのだろうな・・」と考えた矢先、こちらに気づいた数名の生徒がテントから飛び出してきた。さらに後に続けとばかりに次々駆け寄り、場は一種の「〜様」フィーバーのように様変わり。何事か話掛けてくる彼らに向かって、大きく「こんにちわ!!」というと初めての日本語で元気よく返してくれた。「こんにちは!!」この言葉は一瞬で流行し、みんなで幾度と無く連呼しながらテントへと向かう。これがワークショップのはじまり。

心配をよそに終わってみれば、終始笑っていた一日だった。(初回でテンションがものすごく高まっていたこともあるが・・)。子どもたちはもちろんのこと、ファシリテーター(まとめ役)もスタッフも村人たちもアジアの人は本当に人あたりがいい。人懐っこくて元気、そしてよく笑う。活動内容自体はまだまだ改善点は見られたが、そんなことよりもなによりも、これから彼らといい関係を築いていけそうと感じられたことが一番の大きな収穫だった。
 
   
左:笑顔でお出迎え
中央・左:どこの校舎も地震で崩れ使用禁止。だからみんな、授業はテントの中。
右:自己紹介。


○8月4日「初日2日目」
第1次活動:心理テスト
火、金曜日:ジャティムリョ小学校、タンジュン小学校
スタッフ:久保田、ハディ
ファシリテーター:ニタ、デンディ、リサ、ジャスティン

ワークショップ2日目。
2日目といっても、このプロジェクトでは6校の小学校を対象に各校週2回、1日2校づつ周って行くスケジュール。3日で1周、一区切りとなるので、この日も同じく、引き続き基本内容は心理テストである。しかし、そこは人が替わればなんとやら。内容は同じでも、今日もまた初対面のファシリテーター(まとめ役)。ファシリテーター(まとめ役)は各学校につき2名づつ担当制で配置したためである、当然のごとく、今日の子どもたちとも初顔合わせ。初日の緊張感は明日まで続く。

第1次活動(3,4,5,日と3日で6校。なので計6回行う。)では心理テストとして、簡易版HTQ、バウムテスト、風景描写法を行う。その後にはみんなでゲーム。全員でそろって遊ぶ。もうこのときには緊張感はどこへやら・・笑顔、笑顔、また笑顔。楽しさの共有の中でお互いの距離を縮めていく。あせらず、あぜらず、ゆっくりと。これが第1次活動の目標。

昨日のスコラメ、カニゴロに引き続き、またしても子どもたちはパワフルで元気。いつもながら驚かされ、ちょっと困らされて、そして元気ももらう。大人と子ども。ほんといい循環だなと思う。

   
左:心理テスト受験中。
中央:男も女も
右:最後はお外で踊るのだ。


○8月5日「初日3日目」
第1次活動:心理テスト
水、土曜日:テロン小学校、タンキル小学校
スタッフ:久保田、ハディ
ファシリテーター:ニタ、ルーシー、ダニエル、ユスリ

この日対象となるテロンは対象校のなかで一番地震の被害の大きかった地域のひとつ。街を抜け、山道に入るとひとつ、またひとつと瓦礫となった家が多くなってくる。半壊した家の横にはそれを修復している一人の男性。父親が自分の手で家を修復している光景は村のあちらこちらで見ることができる。

3日を経て、全ての小学校を周り、それぞれのクラスにそれぞれの個性が見えてきた。ここテロンはとっても気持ちの優しい子たちがそろっているクラス。いわゆる「いい子」がとっても多く、盛り上がりの中にある種の切なさのようなものを感じさせるクラスだ。

  
左:日本語の「色」も覚えられる手品は大うけ。機内での練習が報われる時。
中央:一緒になって歌って踊って
右:みんなほんとに素直なんだ。


○8月6日
初めての休日。一日睡眠コースも捨てがたかったが、同僚の江崎氏のお誘いにのって観光に同行。ボロブドゥール遺跡に行く。観光客お決まりコースにガイドもつけて、行ってきました、世界遺産。

・・・でかい、とにかくでかい。そして壁一面に彫られた細かな彫刻。作った人もすごいが作ろうとした人もすごい。たとえどんなに使いきれないほどの富を持ったとしても、はたして自分がこのようなものを作っただろうか。自分の想像もできない発想のできる人にはいつも無条件に尊敬の念を感じてしまう。

頂上にはストゥーバと呼ばれる鐘のような建造物。山の中でよく苔が生えてるやつの親分みたいのがごろごろと規則正しく配置されている。整った無数の穴の奥には仏像が一体。とくれば、お決まりのこの文句。
「触れればあなたも幸せに。」
必死に手を伸ばす人の後ろで順番を待つ。足の指を触ればいいらしく、いざ、勢いに任せ手を伸ばす。

と、・・なんことはない。意外すぎるほど簡単に手は届き、足の指をがっしりと掴む事ができた。
「もしかして・・インドネシア人って、手、短い?」
幸せが3ポイント上がった。

  
左:ボロブドゥール!!
左中:頂上には鐘がごろごろ。
右中:果敢にチャレンジ
右:触れなくても幸せだっ!!


○8月7日(月)
「活動の基本方針。」

2次活動:絵描き「私にとっての地震」
スコラメ小学校、カニゴロ小学校
ファシリテーター:ココ、ディマス、オクティ、ウニ、ニタ
スタッフ:久保田、ハディ

休みも明け、2度目のスコラメ&カニゴロ。車が来ると同時に子どもたちが総出でお出迎え。「こんにちは!!」の声が一斉に響き渡る。第1次活動の目標は成功したようだ。

この日の直前打合せ(出発前に行っている確認打合せ)ではファシリテーター(まとめ役)の意識の高さには感心させられた。自主的にゲームのネタなどを調べ色々と提案してくれる。大学生が中心ということで、会う前は多少不安も感じていたが、何をするにしても意識の高い人と仕事をするのは楽しいものだ。アイデアをひとつひとつ聞き、アドバイスを加え、吟味していく。また同時にその日の動きも丁寧に確認し意識統一をする。自分は現場で判断しながら動くスタイルなので多少面倒にも感じてしまうが、慣れてくるまではきちんと一つ一つ確認していくことはとっても大切なプロセスだ。子どもたちの前で打ち合わせなどしていたら、場がしらけてしまう。逆にファシリテーター(まとめ役)がしっかりと楽しめば、自然と子どもたちも楽しむことができる。

計画はしっかりと頭に入れて、計画書は忘れ去る。目の前の子どもたちに集中して、自然体で場を楽しむ。準備は楽しむための余裕を生むためのものだから。
子どもたちは敏感だ。「楽しませる」じゃなくて、こっちも本気で「楽し」まなければ、彼らを本気で楽しませることはできない。子供たちとの活動は生もの。だから意識の高さがほんとに嬉しい。

  
左:スネークゲ〜ム。列を作って蛇になって、相手の尻尾を食べに行くゲーム。
中央:激しいバトル。砂埃を撒き散らす。
右:カニゴロはいつも歌を歌ってさようなら。


 
 

社団法人日本国際民間協力会(NICCO)京都本部
TEL: 075-241-0681 FAX: 075-241-0682 E-mail: info@kyoto-nicco.org

●ジャワ島地震緊急人道支援募金の受付
1. 郵便振込:01070-5-60791 (通信欄に「ジャワ島地震募金」と記入)
  口座名:社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)

2. クレジットカードやジャパンネット銀行の口座からの募金:
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