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  ジャワ島地震緊急医療支援レポート

                                  【2006年6月25日(日)〜7月1日(土)

                                                                      ジョグジャカルタ 安達恵子
     
       (7月1日現在、インドネシアではスタッフ2名、看護師1名、医師2名が活動しています。)          
 
 
 
○2006年6月25日(日)
 本日はお昼からNICCOスタッフの森田さんと物資配給の為のアセスメントにデリンゴ村へ向かう。いつもはモバイル前の少し身が引き締まった状態で車に乗り込む為、今日はとてもリラックスモードであった。通常モバイルなら、ある特定の場所に集まってきてもらうことになるが、本日はこちらから自宅へ訪問するということで、ちょっとワクワク!
 実際に村の倒壊した自宅へお邪魔しインタビューする。森田さんもおっしゃっていたが、言葉の大切さ改めて感じる。言葉で会話が出来るということは単に目的の意思疎通が出来るだけでなく、言葉の使い方や表現の方法でその方の人間性が図れる。そして、それは相手も自分のことを同じように捉え感じているに違いない。ゆえにそこから図りきれない信頼関係が築き上げられるのであろう。
 訪問した先々では、被災しているのにも関わらずとても丁寧にそして明るく迎えてくれた。それは1つの集落だけではない。自分達の先が見えないこのような状態でも、外から来た人間にこうやって振舞えるのは何からくる力なのだろうか!? 同じように日本で震災が起こったと想定して、今の状況と照らし合わせてみると、残念ながら少し暗い気持ちになる。日本人には決してこのように振舞えないのではないだろうか?自分を置きかえてもそう感じる。
 楽しい村回りもあっという間で、気が付けば日も沈み暗闇に。“おおーっ、遅くなってしまった”と、思いながら車へとボツボツ歩いていると、遠くからちらちらと光りが差しているのに気が付いた。そう、ここは山の中腹だったんだ!眼下にはジョグジャの夜景がズラーリと広がっているじゃないですか!昼間の景色も最高だが、夜景はこれまた格別!ああ、ジョグジャに来て良かったーー!

○2006年6月26日(月)
 本日はこれぞ快晴!海のように青い空を眺めながら、日本の夏を思い出していた。
 テムウー村ジュルンはタバコ畑が広がるのどかな地域であった。タバコはお米よりも高く売れるそうで、今やお米からタバコに切り替える農家も多いとか。育て方はさほど難しくないらしい。タバコ畑は何度も見たことがあったが、タバコの花を見たのは今日が初めて。これがまた、あのタバコからは連想できないようなピンクで可愛らしい花を付けているのだ。今日は地元の可愛い女性3人のボランティアにも助けられスタッフも充実しており、オートな薬局安達もじっくり周りの環境を堪能することが出来た。


        タバコの花

○2006年6月27日(火)
 本日は精神科医でありNPO「地球のステージ」主宰の桑山医師の廃材を使って作った打楽器演奏ワークショップの初日であり、ワークショップ終了後に私達と合流。本日のジャティムルヨ村のマラダンは、震災被害は少ないも最寄のクリニックからは遠く、またいつもに増して高齢者の多い地域。予測できたとおり高血圧患者が続出。こういった状況の場合にいつも深く考えさせられるのだが、クリニックから遠く不便な地域で病気を発見することは、患者さんにとって幸か不幸か…。ここは、日本ではなくインドネシアなのである。クオリティ・オブ・ライフとは一体…。
 目の前にある1つの現実だけに目を眩ましてはいけない。私は1人の看護師として患者さんを取り囲む環境をも含め広く深いアセスメント能力を身に付けたい!

 
                       クオリティ・オブ・ライフとは…

○2006年6月28日(水)
 本日はテロング村の小学校でのワークショップを少し覗いた後、マングナン村クディフンでの診療を開始。
 デリンゴの診療所Tからいつも私達のお手伝いをして下さる助産師のウタミさんが、本日もお手伝いをしてくれた。彼女はインドネシアの気質には珍しい勤勉タイプであり、更にいつも私達に気を配り、周りに注意を図りながらお手伝いをしてくれた。そんな彼女と一緒に活動するのも本日が最後。
 診療終了後にはウタミさんの自宅に招かれ、みんなで昼食を頂いた。わざわざ準備をしてくださっていたのだ。本来ならこちらが食事を用意するべきであろうに、彼女のその心遣いには脱帽である。分かれ際にはとても淋しい気分にさせられた。またいつか一緒に仕事をしてみたい、そう思いながら手を振った。

  
            ウタミさん                      ウタミ邸の前で

○2006年6月29日(木)
 本日はモバイルクリニック最終日。おおとりを飾るステージはテロング村パンチュラン。いつもと同じく急勾配な坂道のある地域であり、車に弱い私にとって(今更ですが)は毎日車酔いとの戦いであるが、それも本日がモバイル終了日である気持ちにかき消されていた。単純にやや高揚気味なだけであるが…。
 地域の主要道路から少し入り込んだ場所での診療は、ポツポツと患者さんが来られるナイスなペースで始まり、そのペースは乱されることなく10時半には静かな診療所になっていた。桑山医師も言われていたが、これは最終日にふさわしい状況。ここで、ドドーっと患者さんの波に押し寄られると、本日で終了することに後ろ髪惹かれてしまう。患者数がフェイドアウトするように右下がりになれば、私達にとっても綺麗な幕を下ろしやすい。患者数は22日間で2番目に少ない52名。私達が患者さんを待つという最良の形で幕を下すことが出来た。
 22日間22箇所でのモバイルクリニックが無事終了。何をすべきなのか分からず、オロオロとしていた初日を思い出すと同時に、私なりに考え悩んできたことを振り返る。報告書は残っているものの、終了した達成感をヒシヒシと味わいながら、いつも明るく色々な面で協力してくださったこのチームの仲間達に心から感謝し、モバイルクリニックを終了する。


          おおとり診療所

 夕方は午前に引き続き桑山さんのワークショップに参加。山中の4時からということで、西日が傾き日中とは違う心地の良い風が吹いている中ワークショップが開催。
 いよいよ発表会。子供達はもちろん、ご両親や私達スタッフもワクワクしているのが、よく伝わってきた。プログラムはおかしく楽しく進んでいき、会場は笑顔でいっぱい。たった3日間数時間のワークショップで、ここまで人の心を惹きつけられるものであろうか?桑山さん後藤さんってめっちゃ凄い人なんじゃなかろうか?心の豊かさとは一体何か?そんなことが私の頭の中をクルクル回っていた。
 今回はNICCO関係者以外にも協力して下さった方があり、無事終えることが出来た。ボランティア、支援など一言で言っても多くの目的と方法があると思うが、また一つ、自分の肌に合ったものを見つけた!桑山さん、後藤さん、とっても良かったですよ!お疲れ様でした。
 
 
      崩れた学校の敷地で               参加されたご両親

 そして今日はモバイルを共にしたアイダ医師の離任。空港までお見送りに行き、桑山さん後藤さん、ガイドのハディさんと合流したまでは良かった。お見送りということで、チェックインカウンターまでみんなで行こうとすると、なぜか私だけ「入っちゃ、ダメだよ!」と、止められた。えーっ、何で他のみんなはよくって私1人だけがだめなの?ん?人数制限があるのかと訪ねても「そうじゃない」、外国人だからかと聞いても「そうじゃない」じゃあ一体何なのよーーー?まだ、ちゃんと挨拶していないから、お願いだから入れて、と言っても「ダメだ」。もう、全く融通の利かないやっちゃねー!早くしないと飛んじゃう、とちょっと可愛い顔で泣き寝入りしてみると「あとで、戻ってくるって言ってたよ」なーんだ、それを早く言ってちょうだいよ!無駄に小芝居しちゃったじゃないのよ。
 〜 そのお兄ちゃんと世間話しながら、待つこと10分 〜
 「友達来たよ」の声に、良かった良かったとホッとしていると、ん?3人だけ?「アイダ先生行っちゃったよー」…ど、どういうことなの。残念極まりなく、そのお兄ちゃんを責める気にすらならなかったけど、せめて挨拶くらいしたかった…。
 今日は喜怒哀楽の激しい忙しい1日だった。アイダ先生ありがとうーー!

○2006年6月30日(金)
 本日は昨日終了したモバイルクリニックの報告のため、バントゥルの保健事務局へ。プリントアウトなどで朝からバタバタ。マズイマズイと思いながらも、それも何だか笑えた。
 無事報告が済んだ後、一旦ホテルへ戻り、スタッフ森田さんとミーティング。その後、物資購入の為の交渉へ出かける。個人的に交渉や取引にはめっきり弱い私。相手はプロである上にこちらはビジネスに関するノウハウの欠片も持ち合わせていないが、これも勉強勉強!

○2006年7月1日(土)
 本日も朝から交渉。相手の頭の良さやこだわりだけでなく、誰が権利を握っているか(誰を落とせばいいか)、微妙な表情の変化などが面白く目に付いた。
 午後からは村へ行き物資提供についてのミーティング。一番ニーズが高いと思っていた毛布はもう入らないとの声を聞き、物資配給のタイミングの難しさを感じる。

 今週はモバイルクリニックが終了し、それに合わせ仲間もそれぞれへジョグジャから離れていってしまった。少し淋しさが残る一週間であった。
 村の主要道路には多くの乗客を乗せた路線バスが見られるようになり、お店や市場も色とりどりの商品が並び始めた。がんばれジョグジャ!
 
 

社団法人日本国際民間協力会(NICCO)京都本部
TEL: 075-241-0681 FAX: 075-241-0682 E-mail: info@kyoto-nicco.org

●ジャワ島地震緊急人道支援募金の受付
1. 郵便振込:01070-5-60791 (通信欄に「ジャワ島地震募金」と記入)
  口座名:社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)

2. クレジットカードやジャパンネット銀行の口座からの募金:
GambaNPOのサイトへ!

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