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  ジャワ島地震緊急医療支援レポート

                                   【
2006年6月12日(月)、13日(火)】
                                                                            安達 恵子(看護師)
     
       (6月13日現在、インドネシアではスタッフ1名、看護師1名、医師1名が活動しています。)          
 
 
 
 
 寄り道した診療所にて、診察の様子。                 アイダ医師からの血圧測定指導。

○2006年6月12日(月)

 本日は朝から良いお天気。心地よく冷えた空気を吸って、本日の診療所テムウー村のジャンべワンギに向かう。途中で診療所に寄り、担当医師より精神安定剤や皮膚科内服薬を分けて頂く。この担当医師は私達にとても協力的であり好印象である。おまけに少し男前。色んな意味で出来るだけマメに寄り道しようと私に思わせる医師である。

 本日の診療は、田んぼと畑、そして牛舎という何とも人が集まりそうもないと感じさせる場所であったためやや不安がよぎったが、診療所による予防接種と重なることもあり、その時間と共に乳幼児を胸に抱いたイブイブ(IbuIbu=お母さん方)がわんさか集まってこられた。

 私達のすぐ隣で予防注射という環境での診療が午前9時30分に開始された。先ほどの不安もよそに患者数は加速するかのように増え、薬詰めも一人でオートマな機械のように単々黙々と行っていると、予防注射を終え世間話に花を咲かせていた看護師の1人が「この薬ちょうだい。1つくらい良いやろ」と、持って帰ろうとしてるではないか。こらこらっ!それは私が毎日苦労して調達しているビタミン剤ではないか!しかも忙しくてそれどころじゃないっていうのに…。「それなら、患者さんと一緒に並んで受付からお願いします」と答えると、「あんた、よく見ると可愛いね」などと褒め言葉を並べ始めた。えっ!?そう?私も女性、決して悪い気はしなかったが、あまりにも見え見えの魂胆に「そんなことはよーく分かっていますよ。さあ、並んで!」とビタミン剤を奪い取ると「あんた、一枚ウワテだね」と諦めモードに。してやったり!私も関西人。負けませぬよ!

 13時45分の終了時には127名という最高の患者数を記録したこともあり、スタッフの皆さんは疲れてグッタリ。ということもあり、帰りにサテ・カンビン(ヤギのサテ肉)を食べに寄る。ジャワ島のお料理はインドネシアの中では甘い味付けで有名。このサテ・カンビンも甘めではあったが、おいしい上にみんなにも笑気が出てきたのでバグース(BAGUS = いいねぇ)だった。
夕方のミーティング後いろいろ検討するが、ビタミン剤の確保は現地にて行うことにする。また、アイダ医師より新たな薬品購入の注文を受けるなど、毎日のモバイル診療が落ち着くと同時に確立していくのを感じる。

○2006年6月13日(火)

 本日も急勾配な坂道の途中という環境での診療。ジャティムリヨ村のトゥガラワス。私達が到着した際にはシーンと静まり返っており、日本の田舎の夏を思わせる私にとっては落ち着きを感じる場所であった。

 本日は地元の血圧測定師がお手伝いしてくださった。医療の知識は無いが、血圧測定のトレーニングを受けているという。血圧測定は10分あれば誰でも簡単に習得できる技術であるので、高血圧症が目に余るインドネシアではこのような方に是非活躍してもらいたい。今回は多くの患者さんを対象とするそのトレーニングと感じてもらえば、私達にとってだけでなく、彼にとっても経験と自信をつける良い機会ではないだろうか。

 診察前に森田さんが「腰巻している人を初めて見た」と言われたのを聞き、そういえばこのような村を巡回してるのに使用している人をあまり見かけない。以前私が住んでいた地域では誰もが“サロン”と呼ばれる一見スカートに見えるこの腰巻を着用していたのを思い出す。筒状になった布をクルリと腰に巻くだけのものだが、これが結構便利なのである。ある時は掛け布団代わりに、そしてある時は水浴び後のタオル代わりになったりと用途はいろいろある。

 本日の薬詰めはいつもに比べて時間が掛かり、診察を終えたアイダ医師に手伝ってもらう破目になった。飲み方の説明を行うことに時間もとられてしまうが、何よりあまり急いでいない自分がいることに気が付いた。日本に病院ならば患者さんを待たせないように、一分でも早く薬を手渡すのが常識のようになってしまっているが、この村人を見ていると誰一人として急かしてくる人はいない。それどころか、私の呼ぶ名前の発音がどうやらとてもおかしいようで、皆さんに楽しんでもらっている。私として微妙な気分だが、笑顔が見られるのが一番なので一緒になって笑っている。私が受けているのは究極の癒しかもしれない。贅沢な気分だ!


 診察を待つ患者さんであふれかえる診療所。
 
 

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