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  ジャワ島地震緊急医療支援レポート

                                    【
2006年6月8日(木)〜9日(金)】
                                                                            安達 恵子(看護師)
     
       (6月9日現在インドネシアではスタッフ1名、看護師1名、医師1名が活動しています。)          
 
 
 
2006年6月8日(木)
 本日は午前9時からテロング村のンゲネプ集落において診療開始。デリンゴの第二診療所に続く主要道路から、車1台が通過するのもやっとであるような細いガタガタ道を奥に入ること数分にある地域であり、道が悪いだけでなく急勾配な坂道が連なる道路事情であった。また道端に並ぶ家屋の多くが半壊・全壊しており、被害の大きさを目の当たりにする。
 診療に関しては診療所の医師、歯科医、看護師が参加。外科の処置や内服薬の説明などにはそれぞれ専門家による介助を頂くことができ、協力体制への意思を感じる。私達の言語面に関しては地元の方の協力もあり、新たな通訳ガイドの必要性は感じなかった。
 民家が密集している地域ではないこともあるのか、10時30分をまわる頃から患者さんは減り、のんびりとした時間に切り替わっていく。不意に隣のテントから流れていた音楽(ラジオ?)がとても心地良く、少し忙しい状況において心の落ち着きを感じたと共に音の効果について考えるきっかけになった。日本の病院でも同じであるが、バックに穏やかな優しい音楽が流れている病院は妙に落ち着くのを感じたことはないだろうか?インドネシア人は特に音楽好きで、みんな歌が上手。こんな時にこそ、音楽のある巡回診療は効果的ではないかと考える。
  被害の大きさに比例するように本日は骨折を含む外科疾患がやや目に付いた。また、11時過ぎ充分に身体に感じる余震が起こり「まだ、こんな風によく起こるよ、怖い…」との声を聞く。笑って話されてはいるが、このような住人の不安を考えると心が痛む。しかし、近所で遊んでいた小学3.4年生6人へインタビューを行うと、ご飯も充分に食べているし、夜も眠れているとの返事が返ってきた。近所の家屋の中も見て歩いてみると物資供給は充分ではないはずではあるが、極端に不足しているようにも感じなかった。11時30分まで待ったのち引き上げる。
  16時からミーティング。明後日の土曜に予定されているムントュクではデング熱患者が確認されているとのこと。自分自身が1度デング熱にかかっている為、やや身が引き締まる思いだ。
  その後またしてもアイダ医師と街中に出る。やや疲れている様子が伺えたこともあり、彼女のお誘いに乗ってモールでブラブラショッピング。診療パターンや一日の流れが見え始める頃であるので、緊張も解れ、この辺りで疲れが出てくる時期である。気配りに配慮し、我が身にも注意を呼びかけたい。



 
 診療所近くで遊ぶ小学生たち                        次の巡回診療地での活動に向けてミーティング中


  巡回医療地:テロング村の被災の様子                                         崩壊した家屋

2006年6月9日(金)
本日はマングナン村のマングナン集落。ここは昨日に増して民家は少なく、道は良いにしても坂道の続く地域。徒歩での来所が困難でバイクが必要でありそうなこの地域での患者さんの集まりにやや不安を感じる。デリンゴの助産師宅での診療は午前9時に開始。デリンゴの診療所のバグス医師も朝一番に顔を出してくれる。
 ここでもやはり高齢者が目立ち、井戸端会議風になった診療所に思わずほほが緩む。助産師も丁寧に快く受け入れてくれ、感謝したい。11時30分以降になると患者さんも減り、12時に終了する。
 13時、明日に予定しているムントゥクの村長さんにガイドと挨拶へ伺う。村長さんは疲れを隠せない様子で悲壮感すら漂ってくる気配であったが、ガイドの対応の適切さに感心する。ムントゥクでデング熱患者が出たとの連絡を受けていたが、村長さんの話によると検査結果でデング熱は否定されたとのこと。その後、明日の診療会場となるカランガセムへ向かい、住民へ呼びかけの協力依頼を行う。
 15時30分、薬品のリクエストの為に保健局の倉庫へ向かう。各国から集められた医療品は収納場所がないほどのダンボールの山になっており、目を惹いた。この医療品の山はいったいどこへ行ってしまうのか…。本当に不足して困っている地域に配分されることを祈りたい。
その後のミーティングにて、他の団体との重複診療の可能性について示唆。こうなると、巡回診療の必要性を考えさせられる。確かに、診療所を開くと少なくとも40−50人以上、多くて120人もの患者さんがやって来られる。それを考えただけでも充分に意味あることには間違いない。普段なら遠く離れた診療所へ行かなければ診療を受けられない場所に医療チームが入る喜びと安心感、きっと得られることが出来るであろう。医療だけでなく、自分の不安や悩みを聞いてもらえる機会があるだけで満足感を得られる人も少なくないはずである。しかし、処方薬の重複服用の危険性、疾患に対する患者の混乱、集中した医療今後への期待などの問題点も挙がってくる。単に現時点での視点で行動するのか、長い視野を持って対応するのか私達は考える必要性があるのではないだろうか!?
インドネシア国内において更に医療の遅れのある場所が他にあることを知っているだけに、少し複雑な気分である。
 


    マングナン村の巡回医療所にて                          保健局には各国から集められた医療品が…
 

 

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