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● もてあます能力と可能性 ●
NICCOの職業訓練校の生徒たちは、能力・意欲とも最高級レベル。集中力がすごい!努力を怠らない!精神年齢が高い!学校の講師からも、NICCOの職業訓練校の生徒たちは、『他校の学生と比べても勤勉で、積極的なので教えがいがあり、生徒の熱意に後押しされるから自分の勉強にもなる』、というコメントをもらっている。
NICCOの職業訓練校の生徒は、多くはゴルシャールに住む10代後半から20代の若者か、バスで十数分行ったところのアフガンコミュニティに住む若者で、仕事の合間をぬいやって来る者、本来であれば大学に行き勉強する能力も意欲もあるが、難民ということで学校に行くことができないため、知的欲求を満足させようとNICCO職業訓練校で様々なコースをとる者が多くを占める。イランでの就業が認められていない彼らは、ひとつのコースがおわると、さらなる上級コースを目指し網羅するので、今やかなりの専門性を身につけている。
今、この場でできる限りのことはこれ以上ないというくらい精一杯やっている彼らが感じているのは、現状への不満よりも、将来への不安。彼らの能力に感激し、圧倒されつつ、こんなに有能で善良な若者たちの能力と可能性を無駄にもてあましているこの状況は犯罪だ!と思い、憤りとフラストレーションを感じる。と、私が怒るなら、せっかくの立場をいかして、彼らと一緒に何か手を打ちたい。せめて、質のよいクラスの提供で彼らを満足させたい。
文句は少し言ったとしても、めげたり、ひねくれたりせず、ひたすら努力を続ける生徒に乾杯!そして、『努力』という価値をとても大切にしている彼らに、もう一度乾杯!
● 帰還と就職、彼らの未来 ●
生徒の多くはアフガニスタンへの帰還を現実のものとして考えていない。もちろん、故郷への強い愛情と帰還への希望はあるのだが、現実的にはヨーロッパか北米への移住か、引き続き(いやいやながらも)イランにとどまることを考えている生徒(とその家族)が多い。特に、イランで生まれ、アフガニスタンへ行ったこともないアフガン人たちは、『イランで生まれ育ってしまったから、アフガニスタンのアクセントも話せないし、イラン文化が身にしみてしまったんだ・・・。』と負い目を感じている人もいる。 アフガニスタン人であるにもかかわらず、イランで生まれ育ち、この地で差別を受け、ますます母国に恋焦がれ、アフガン人としてのプライドが確固たるものになるのだが、彼らと母国の溝は開くばかり・・・。と、生徒の有能さに感激し、状況のやるせなさにうんざりする、喜怒哀楽の激しい週だった。
初級・中級・上級と、どんどんレベルを経るに伴い、生徒には明らかに成長が見て取られ、NICCO職業訓練校で学ぶ機会を得たことにより、自信や自尊心を得、学習法を習得し、新たに興味の対象が生まれている。それはそれでうれしいことだが、最終目的である帰還、就職は、個々に独立した難しい問題で、道のりは気がとおくなるほど長いのではないか、しかし、少数に対してでも帰還、就職を成し遂げる手助けができれば、それは本当に素晴らしいことである、とつくづく感じる。
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